




今日は、前から気になっていた現代美術の展示を見に行ってきた。
最初に出会ったのは、赤黒くツヤツヤした不思議な形の彫刻。
まるで深海の生き物みたいで、じっと見ていると呼吸してるんじゃないかって思うくらい生々しい。
でも、生きているわけじゃない。ただそこに、静かに存在していた。
照明の当たり方まで計算されているのか、壁に映る影も美しくて、しばらくその前から動けなかった。
次の作品は、まるで壁の一部を切り取って持ってきたようなブロック。
落書きのようなペイントに、金色の葉っぱが絡みついている。
自然と人工物、荒さと繊細さ、その対比がすごく面白かった。
何気ない一角が、アートになる瞬間って、こういうことなのかもしれない。
そして圧巻だったのが、デジタル数字で覆われた黒いマネキン。
まるでサイバーパンクの世界に入り込んだかのよう。
数字が光って服のデザインを形作ってるのが新鮮で、テクノロジーと人間の融合って、
こういう形でも表現できるんだなと感じた。
展示を一通り見終えた後は、美術館の外に出て、石畳の奥に広がる緑の庭をぼーっと眺めた。
心が静かになって、頭の中のノイズが少しずつ消えていくのがわかった。
最後に見たのは、黒い山のようなオブジェと遠くに見える鉄塔たち。 人工と自然が交差する風景はどこか哀愁があって、胸がぎゅっと締めつけられた。
ガラスのような作品も印象的で、赤や金のキラキラが光を受けてまるで炎のように揺れていた。
静かな空間の中で、一番熱を持っていた気がする。
美術館って、ただ「作品を見る場所」じゃなくて、思考や感情が揺さぶられる場所だなって改めて感じた。
今日は、ちょっと現実から離れた、贅沢な時間を過ごせた気がする。